ペットの防災——シニア犬・猫の持ち出しリストと同行避難の備え
最終更新: 2026年8月12日
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環境省のガイドラインは、災害時はペットと一緒に避難場所まで移動する「同行避難」を原則としています。持ち出し品のうち、フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上が目安です。そして、優先順位のいちばん上に置かれているのは療法食と薬です。
- 同行避難は「一緒に逃げる行動」を指す言葉で、避難所で同室に暮らせることは意味しません
- フードと水は5日分、できれば7日分以上を用意しておくと安心です
- 療法食・薬は環境省が示す持ち出し優先順位で1位に挙げられています
地震や台風のニュースを見るたびに、うちの子は大丈夫だろうかと考えることがあると思います。ペット終活の備えと同じように、防災も元気なうちに少しずつ整えておくものです。特にシニア期の子や持病のある子は、フードを切り替えるだけでも負担になることがあるので、備えの中身が少し違ってきます。 ここでは環境省のガイドラインをもとに、同行避難の基本と持ち出し品の優先順位、そしてシニア・介護中の子ならではの備えを整理します。
同行避難と同伴避難の違い
環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」は、同行避難を次のように定義しています。
災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所等まで避難すること。同行避難とは、ペットと共に移動を伴う避難行動をすることを指し、避難所等において飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではない。
「一緒に避難所まで逃げること」と「避難所で一緒に過ごせること」は、別の話だということです。避難所でペットを飼養管理する状態は「同伴避難」と呼ばれますが、こちらも同室で過ごせることを意味するわけではなく、飼養環境は避難所によって異なるとガイドラインは注記しています。
つまり、同行避難できたとしても、ペットとは別の場所で過ごすことになる可能性があるということです。同室で過ごせるかどうかは避難所ごとの運営に左右されるため、お住まいの自治体が何を案内しているか、事前に確認できることは確認しておくのが現実的な備えになります。
持ち出し品リスト——環境省の優先順位1〜3
環境省のガイドラインは、ペット用の備蓄品を持ち出す際の優先順位を3段階に分けて示しています。
優先順位1 動物の健康や命に関わるもの
- 療法食、薬
- ペットフード、水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)
- キャリーバッグやケージ(猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム)
- 予備の首輪、リード(伸びないもの)
- ペットシーツ
- 排泄物の処理用具
- トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)
- 食器
このリストの中で、いちばん上に置かれているのが療法食と薬です。日数の目安が明記されているのはペットフードと水だけで、療法食・薬については具体的な日数までは示されていません。持病のある子は、かかりつけの動物病院と相談しながら、無理なく用意できる日数を決めておくとよさそうです。
キャリーバッグは、移動そのものだけでなく、避難所で過ごすときの居場所にもなります。楽天市場で探すと、ハードタイプのキャリーは3千円台から見つかります(2026年8月確認、価格は変動します)。▶ ペットキャリー(ハード)を楽天で見る![]()
食器のほかに、移動中や停電時に水を運ぶ手段として携帯用の給水ボトルを合わせて用意しておくと、外出先でも水を切らしにくくなります。楽天市場では数百円台からのものもあります。▶ 携帯用の給水ボトルを楽天で見る![]()
優先順位2 情報
- 飼い主の連絡先と、ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報
- ペットの写真(印刷物とともに携帯電話などに画像を保存することも有効)
- ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
この情報は、ペットを誰かに預けるときに特に効いてきます。環境省のパンフレットには、ペット用のシェルターに預ける場合、ワクチン接種や寄生虫の駆除が済んでいることが利用条件になるケースがあると書かれています。ワクチン接種の記録をふだんから手元にまとめておくと、いざというときに慌てずにすみます。
優先順位3 ペット用品
- タオル、ブラシ
- ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など多用途に利用可能)
- ビニール袋(排泄物の処理など多用途に利用可能)
- お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
- 洗濯ネットなど(猫の場合は屋外診療・保護の際に有用)
- ガムテープやマジック(ケージの補修、段ボールを用いたハウス作り、動物情報の掲示など多用途に使用可能)
優先順位1〜3の品目を1つずつ揃えるのが大変なときは、必要な物がひとまとめになった防災セットという選択肢もあります。楽天市場では5千円台から見つかります(2026年8月確認)。▶ ペット用防災セットを楽天で見る![]()
シニア・介護中の子ならではの備え(編集部の考え)
ここまでの持ち出し品リストは、環境省のガイドラインに沿ったものです。ただ、高齢の子や介護中の子に特有の備えについては、環境省の資料にも、獣医師監修の記事にも、まとまった情報が見当たりませんでした。ここから先は、リストを読んだ編集部が考えたこととして、控えめに書いておきます。
- 療法食・薬の予備: 優先順位1位の項目です。何日分用意するかは、かかりつけの動物病院と相談して決めるのが安心だと思います
- キャリーに慣らしておく: 環境省のガイドラインも「ケージなどに入ることを嫌がらないよう、日頃から慣らしておく」ことを一般的なしつけとして挙げています。高齢になってから新しく慣らすのは時間がかかるかもしれませんが、普段の生活の中で少しずつキャリーに触れる機会を作っておくと、負担が減ると考えています
- 排泄用品を多めに: 優先順位1位にはペットシーツや排泄物の処理用具が入っています。粗相が増えている子の場合、いつもより多めに用意しておくと安心につながると思います
このあたりは断定できるだけの根拠がまだ無い分野です。かかりつけの動物病院と相談しながら、無理のない範囲で備えていくのがよいと思います。
過去の災害から
環境省のガイドラインには、過去の災害でペットの同行避難がどう機能したかが記録されています。
1995年の阪神淡路大震災では、マグニチュード7.2の地震で犬・猫あわせて約9,300頭の動物が被災しました。ガイドラインは、この震災で自宅に取り残されたり、はぐれて放浪状態になったペットが多数生じたと記しています。
2016年の熊本地震では、それまでにガイドラインが多くの自治体で活用されるようになっていたこともあり、同行避難自体はかなりの被災者が実施しました。ただし、避難所でのペットの受け入れや一時預かりなど、体制面の課題が数多く指摘されたと記録されています。同行避難ができることと、避難先で困らないことは、また別の課題だということです。
環境省のパンフレットには、支援物資が届くまでには数日かかることがあり、「それまで持ちこたえるのは飼い主の責任」だとも書かれています。フードと水を5日分、できれば7日分以上用意しておくという目安は、この教訓とつながっています。
ローリングストック——フードは特別なものを用意しなくていい
防災用に特別なフードを別途買い足す必要はありません。いつも与えているフードを普段より1袋多く買っておき、古いものから使いながら、減った分を買い足していく。これがローリングストックという備え方です。
療法食のように切り替えが難しいフードほど、この方法が向いています。防災専用のストックを作って賞味期限切れに気づかないまま置いておくより、いつもの回転の中に組み込んでおくほうが、結果的に管理しやすくなります。
フード選びそのものを見直したいときは、シニア犬のドッグフード比較やキャットフード比較で、粒の大きさやカロリーを含めて比べています。
よくある質問
同行避難をすれば、避難所でペットと同じ部屋で過ごせますか?
同行避難は「ペットと一緒に避難場所まで移動すること」を指す言葉で、環境省のガイドラインは「避難所等において飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではない」と明記しています。避難所でペットを飼養管理する状態は「同伴避難」と呼ばれますが、こちらも同室で過ごせることを意味するわけではなく、飼養環境は避難所によって異なるとされています。
薬や療法食は何日分用意すればいいですか?
環境省のガイドラインは、ペットフードと水について「少なくとも5日分、できれば7日分以上」という具体的な日数を示していますが、療法食や薬については優先順位1位の項目として挙げているものの、日数までは明記していません。持病のある子は、かかりつけの動物病院と相談しながら、無理なく用意できる日数を決めておくのが安心だと思います。
老犬・老猫がキャリーを嫌がります。今から慣れますか?
環境省のガイドラインは、犬・猫共通の備えとして「ケージなどに入ることを嫌がらないよう、日頃から慣らしておく」ことを挙げています。ただし、高齢になってから新しく慣らす場合の工夫について、公的な資料や獣医師監修の記事は見当たりませんでした。時間はかかるかもしれませんが、普段の生活の中で少しずつキャリーに触れる機会を作っておくことが、負担を減らす一つの方法になると編集部では考えています。
ローリングストックとは何をすればいいですか?
いつも与えているフードを普段より1袋多く買い置きし、古いものから使いながら、減った分を買い足していく備え方です。特別な防災用フードを別に用意する必要がなく、普段の食生活のまま備蓄が回っていくのが利点です。療法食のように切り替えが難しいフードほど、この方法が向いています。
出典
- 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」(自治体向け・総説): PDF
- 環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」(平成30年10月改訂): 解説ページ、はじめに、災害への備えストーリー、持ち出し品リスト
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