老犬の認知症・夜鳴き——見分け方と、日中にできる工夫

最終更新: 2026年8月9日

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年齢が上がるほど、行動の変化を示す犬の割合は増えていく、という研究があります。夜鳴きや昼夜逆転には、日中の運動を増やし夕方以降の刺激を減らす対応が挙げられています。ただし体の病気との見分けは自己判断できないので、様子がいつもと違うと感じたら受診を先にしてください。

  • 年齢とともに、何らかの行動の変化を示す犬の割合は増えていきます(研究の紹介です)
  • 6つの視点で、日々の様子を振り返る手がかりがあります
  • 「老犬の夜鳴き対策グッズ」という専用ジャンルは楽天市場になく、出てくるのはしつけ用の超音波器具です。このページでは勧めません

名前を呼んでも反応が薄い。夜中に鳴きだして、理由が分からない。老犬と暮らしていると、こうした変化に戸惑う場面が出てきます。 ここでは、加齢に伴う行動変化の傾向、見逃されやすいという指摘、日々のチェックの視点、そして夜鳴き・昼夜逆転への対応までを順にまとめました。 体の病気が隠れていることもあるため、様子がいつもと違うと感じたら、ここに書いてあることより先に動物病院への相談を優先してください。

① 何が起きているのか

犬も年齢を重ねると、脳の働きに変化が起きることがあります。獣医療の分野では、これを「認知機能不全(CCD)」と呼びます。

年齢が上がるほど、何らかの行動の変化を示す犬の割合は増えていく、という研究結果があります。 高齢になるにつれて、見当識・家族とのやりとり・トイレのしつけ・眠りのリズムのいずれかに変化がみられる犬の割合ははっきりと増えていく、という報告です。

ここでいう「変化」は、認知症と診断された割合ではありません。日々の行動のどこかに変化が出ていたかどうかを調べたものです。 診断名がついていなくても、変化そのものは年齢とともに増えていく、と捉えておくとよさそうです。

※CCDへの対応は、環境や行動面の工夫が中心です。進行を遅らせる、症状を和らげるという範囲にとどまり、元の状態に完全に戻すものではありません。

② 気づかれにくいという指摘

CCDは、気づかれにくい病気だとも言われています。ある調査では、認知機能の低下に該当していた犬のうち、実際に獣医師から診断を受けていたのはごく一部にとどまっていた、と報告されています。

「年のせい」で片づけられやすい変化の中に、CCDが隠れていることがある、ということです。 気になる様子があれば、年齢のせいだと決めつけず、一度動物病院で相談してみてください。

③ 6つの視点で、様子を見てみる

獣医療の現場ではDISHAと呼ばれる、6つの視点でCCDが疑われる犬の様子を確認する考え方が紹介されています。

特別な検査ではありません。

ふだんの様子を振り返るときの目安として、次のような視点があります。

どれか一つに当てはまったからといって、それだけでCCDと決まるわけではありません。 ただ、複数の項目が重なって出てきたときは、動物病院で相談する材料になります。

④ 夜鳴き・昼夜逆転への対応

昼夜が逆転して、夜中に鳴き出す。介護の中でも、体力的にこたえる変化の一つです。

対応として挙げられているのは、日中の運動量を増やし、夕方以降の刺激を減らすという工夫です。 日中にしっかり体を動かして疲れさせておき、夕方からは静かな環境に整える、という考え方です。

散歩の時間を朝〜昼に寄せる、日没後はテレビの音量や来客対応などの刺激を控える、部屋の照明を早めに落ち着いた明るさにする—— こうした工夫の積み重ねが対応の中心になります。

夜鳴きが、この工夫だけですべて収まるとは限りません。それでも落ち着かないとき、あるいは急に始まったときは、 体の痛みや別の病気が隠れていないか、動物病院で確認してもらうと安心です。

⑤ 「夜鳴き対策グッズ」を検索する前に

「老犬 夜鳴き 対策」と検索すると、専用のグッズが見つかるように思えるかもしれません。実際に楽天市場で調べてみると、様子は違いました。

「老犬」「認知症」「シニア」といった言葉を商品名に含む結果は見当たりません。代わりに並ぶのは、無駄吠え防止のしつけ用に作られた超音波発生器です。 価格帯はおおよそ1,200円台から9,000円弱で、鳴き声を感知して超音波を発する仕組みのものが中心でした。

これらは、若い犬の無駄吠えを「しつけ」で抑えるための道具です。認知機能の変化からくる夜鳴きは、しつけの問題ではありません。夜に鳴くのをやめさせようとして、この種の超音波器具を使うことを、このページでは勧めません。

グッズを探す前に、まずは④の日中の運動量と夕方以降の環境を見直すこと。それでも変わらないときは、器具を探すより先に、動物病院に相談してみてください。

⑥ 介護する側のこと、そして受診の目安

夜鳴きに毎晩付き合っていると、飼い主さん自身の睡眠が削られていきます。眠れない夜が続くときは、一人で抱え込まないでください。

家族や周囲と時間を分担する、日中に休む時間をつくる、見守りカメラで別室からでも様子を確認できるようにする—— こうした工夫が、続けられる介護につながります。Furboドッグカメラを見る

体の病気との見分けは、自己判断ではできません。次のようなときは、様子を見ずに動物病院に相談してください。

完璧な介護よりも、あなたが倒れないことが一番の介護です。

よくある質問

犬の認知症(CCD)は、どんな症状が出ますか?

見当識の混乱(家の中で迷う)、家族とのやりとりの変化、昼夜逆転、トイレの失敗、活動性や不安の変化などが挙げられます。獣医療の現場では、こうした様子を6つの視点で確認する考え方が紹介されています。どれか一つに当てはまっても、それだけで診断が決まるわけではないので、気になる様子があれば動物病院に相談してください。

何歳ごろから気をつければいいですか?

年齢が上がるほど、何らかの行動の変化を示す犬の割合は増えていく、という研究結果があります。高齢になるにつれてその割合ははっきりと増えていく、という報告です。ただし個体差が大きく、決まった年齢の基準はありません。

犬の認知症は治りますか?

今のところ、元の状態に完全に戻すという報告はありません。環境や行動面の工夫、必要に応じた投薬などで、進行を遅らせたり症状を和らげたりすることが対応の中心とされています。気になる変化があれば、早めに動物病院に相談してください。

老犬の夜鳴き対策グッズは使ってもいいですか?

楽天市場で調べたところ、シニア犬・認知症向けに作られた専用グッズというジャンルは見当たりませんでした。検索して出てくるのは、若い犬の無駄吠えを抑えるためのしつけ用の超音波発生器が中心です。認知機能の変化からくる夜鳴きはしつけの問題ではないため、このページではこうした器具を勧めていません。

動物病院に行けば、その場ですぐ診断してもらえますか?

すぐに分かるとは限りません。認知機能の低下に該当していた犬のうち、実際に獣医師から診断を受けていたのはごく一部にとどまっていた、という報告もあります。「年のせい」で片づけず、気になる様子が続くときは相談してみてください。

本文で触れた研究

獣医学の専門家ではないので、内容の紹介にとどめています。原文にあたりたい方のために出典を置いておきます。

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